愛の流刑地
2006年
原作:渡辺淳一
監督:鶴橋康夫
出演:豊川悦司、寺島しのぶ、長谷川京子、仲村トオル、富司純子、津川雅彦
浅田美代子、佐藤浩市、 陣内孝則、佐々木蔵之介、貫地谷しほり、余貴美子
「あなたは死にたくなるほど人を愛したことがあるんですか?」
この言葉に何も共感できなかった。
死んだらもう二度と愛し合うことができない。
究極の愛とはそんなものじゃないでしょう。
「選ばれた殺人者」に関しても全く理解ができなかった。
あそこまで愛した相手をどうして殺人者にしてしまうのか・・・
望み通り死んで行った女は幸せだったかもしれないけれど
残された周囲の人間の悲しみ、苦しみを何も考えていない。
それを受け止めた男の心理をわかりたくもない。
不倫の先は地獄です。
それを冬香は自分にとって美しい形で終わらせたかっただけなのでは?
夫とは気持ちがもう繋がっていないとしても子供3人はまだ小さい。
母性があったらこの子たちを残していくことなど到底できない。
どう考えても私にとって許せない行為だったのです。
と、ここまでは男と女のとった行動への現実的な感想です。
でも演じた二人がとにかく素晴らしかったのです。
意味わからない、理解したくない・・・と思いながらも役者の演技に涙あふれました。
トヨエツは好きな俳優さんなので思い入れが大きすぎてどんな仕草もドキドキしてしまう。
セリフもあの声で語られると特別に胸に響いてしまう。
法廷シーンも緊張感が漂いそこからラストへと向かうシーンはグッとくる。
選ばれた殺人者なんて納得できるはずがないのに牢獄でトヨエツがこのセリフを
つぶやき微笑むシーンではなぜかまた涙が・・・
そこに平井堅のあの曲ですからね。
これほどまでに映画のイメージに合う曲だったとは・・・もう脱帽です。