クルーシブル
【THE CRUCIBLE】1996年/アメリカ
監督:ニコラス・ハイトナー
出演:ダニエル・デイ=ルイス、ウィノナ・ライダー、ポール・スコフィールド、ジョーン・アレン
17世紀に実際にあった魔女狩り事件を基にした作品だそうですが
現代人からしたらこんな理不尽な裁判考えられません。
少女たちが集団で催眠術にかかったかのように嘘の証言をし始める。
誰一人として反論しない、言いようのない恐ろしさ。
反対にそこで嘘をつけば命は助かるのにそれができない人間もいる。
ちょっとこれは救われない物語です。
無実の庶民が大勢処刑され、どうにかならなかったのかとラストも虚しさだけが残る。
後味はけしてよくありません。でもひきつけられる作品なんです。
美しい少女アビゲイルを演じたウィノナ・ライダーの迫真の演技にまず圧倒されるし
アビゲイルがここまでなってしまった原因を作っているジョン役のダニエル・デイ=ルイスも
ジョンの妻でエリザベスを演じたジョーン・アレンも、他登場人物全てがとてもうまかった。
胸が押しつぶされそうになる重たい内容に気持ちが暗くなりがちだけど
ありえないその展開にひきつけられるんですね。
好きになった男性を自分のものにしたいという恋心。
相手も自分のことを愛しているのだから・・・という激しい思い込み。
それには彼の妻が邪魔なので魔女だとでっち上げ処刑されれば彼は私のものという
一人の人間の浅はかな考えから大きな事件となっていくわけです。
魔女狩りの始まりは少女の恋と嫉妬から。
でも法廷では大人たちは誰も嘘を見破れない。
見ていて腹が立ってしょうがないんです。でもこれが集団心理の恐ろしさですね。
ウィノナ本当にすごい女優です。
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